(1)スピリチュアリズムから見た心霊現象の歴史(系譜)
シャーマニズムから神秘主義、そしてスピリチュアリズムへ
この章では最も素朴で自然な心霊現象である“シャーマニズム”と、それを思想化した“神秘主義”の歴史を、スピリチュアリズムがもたらした「霊的真理」というめがねを通して鳥瞰していきます。すなわち地球上のシャーマニズムや神秘主義に対して通時的にアプローチし、心霊現象の本質を霊的観点から明らかにしていきます。
もともと宗教と心霊現象は、表裏一体の関係性を持っています。しかし世間一般の宗教史では、心霊現象は脇の要素として扱われてきました。ここではその位置関係を逆転して、太古から19世紀の近代スピリチュアリズムに至るまでの心霊現象と神秘主義の歴史を大観していきます。
- 1)人類に共通する素朴で普遍的な「霊的存在への信仰」 “アニミズム・シャーマニズム”
- 2)宗教の組織化にともなうシャーマニズムの排除 原始宗教から古代宗教へ
- 3)“世界宗教”の誕生 宗教教理と巨大組織によるシャーマニズムの徹底排斥
- 4)東北アジアの宗教の特殊性 古来からのシャーマニズム文化の存続
- 5)教理宗教下における“神秘主義” 「神・超越者との神秘的合一」を目指す組織宗教内の異端児
- 6)近世・近代(16~19世紀)の神秘主義の展開 キリスト教の衰退・合理主義の発展下での神秘主義の復活
- 7)19世紀半ば~20世紀の新しい神秘主義の展開 初期スピリチュアリズム・神智学・人智学・ニューエイジ